ライダーであるということ

 私が片岡義男を知ったのは高校生の時の頃。バイクが出てくる彼の小説やエッセイを読むよりも先に、「波乗りの島」などの初期作品から入って、そこから「彼のオートバイ、彼女の島」や「ボビーをつかまえろ」あたりと出会った。

 

 当時の私はすでにバイクに乗っていた。私の年代はいわゆる「バイクブーム」の最後の年代あたりではないかと思っている。バイクに乗ってはいたが当時全盛期だったレプリカにはどうにも興味が持てず、もちろん限定解除なんて夢のまた夢だったあの頃、仲間の中で唯一GB250なんていうおじさんみたいなバイクに乗っていた。いくら雑に扱ってもへこたれないHONDA。飽きない見てくれ。シンプルな仕組み。そこへ彼の小説に出てくるバイクがいかにも70年代のそれだったので、すごーく親近感がわいたことを覚えている。

 

 彼のいわゆる「オートバイ小説」は今でも思い出したら読み返したりするけど、その中でも一番の私のバイブルといえば、「アップル・サイダーと彼女」。

 

20160919011

 

 日系という私とは違う目線で書かれた、当時とても新鮮だったいくつもの話の中、私よりも上の年代のライダーの間ではいつまでも語り継がれるであろうバイク・エッセイがいくつか載せられている。今の若いライダーにも是非読んでもらいたい。もちろん時代背景が違うからわかりにくいところもあると思うけど、ライダーであるということ、つまりライダーの本質なんてものは、そんな簡単に変わるものではないとも思うのだ。