紀伊半島の鹿と猿と熊と犬 後編

 朝4時半までうだうだしてたうえに、つじこにいたっては前日2時間しか眠っていない。したがって、2日目は、「明日は目が覚めるまで寝よう」という非常に健康的な朝…というか、昼前起床w

 

 前日とはうって変わって超快晴の中、今度はR42を南下。R311もよかったが、R42は熊野灘に沿う豪快なカーブの連続。本当に天気がいいもんだから、冬ジャケでは少々暑いくらいでした。 我々が向かったのは、古座川町にある鰻屋さん「古座川」。

 

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 つじこから、「中上健次ゆかりの鰻屋があるから行こう」と誘われていたお店である。

 

 店内によけいなものが何一つない「古座川」のご主人と奥さんの話を聞けば、この地でもうかれこれ30年の歴史を刻み、その中の過ぎ去った一人として中上健次氏がいたことは本当のようだが、「わたしらにしたらみんな大切なお客さんに変わりないから」という奥さんの印象的な言葉のとおり、お客さんが有名人であろうが決してサインをもらったりはしないそうである。

 

 ご主人と奥さんと僕たちの4人は映画のことやらスーパーに来るお客さんのマナーのことやら中上健次氏の話やら、今年、地元・古座川出身でドラフト指名された選手の話でせんぞ盛り上がって1時間以上滞在。

 

 お店をおいとますることにした我々には、古座川沿いに上って一枚岩を経由して周参見(すさみ)に出るルートも候補に挙がっていたのだが、おもてなしの精神に溢れるつじこの先導で、前日の白石湖~須賀利ルート同様、マイナー路線である荒船海岸沿いへ繰り出すことにした。 実はこの荒船海岸には1車線分の「かろうじて舗装路」があるだけで、小さいキャンプ場なんかもあるけど、実際にはほぼ無人に近い集落が、海岸線間際まで迫る山にしがみつくようにあるところ。 つじこがここを僕にオススメするのは、一つには、

 

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 ↑のような天然トンネルをくぐれるということもあるのだが、そんなことよりも、「晩の6時や7時に来てみ。そらすごいで。そこらじゅうに鹿が出てきよる」 からのようだ。確かに山側を見ていると、いかにも鹿やら熊やら猿やらが出てきそうな「かほり」がぷんぶん! ちょっと止まってじっと森を見つめていると、どこかで何かの目がギラリと光るような気にもなる。

 

 ところで話は前後するが、少し前に、つじこが日暮れのR311を快走中にガードレールを下をくぐって道に出てこようとしていたのはツキノワグマ(の子ども)に違いない! と鼻息を荒くしていたのだが、前日、海山町で昼メシを食った喫茶店のマスターによれば、やはり間違いなくツキノワグマはそこらじゅうにいるらしい。

 

 つじこのツキノワグマ説は立証されたのだが、それ以外にもニホンザルの集団やら、ここ荒船海岸沿いの鹿の群れやら、とにかくケモノが多く、 「僕も2度ほど、(道を車で)走ってる最中に、いきなり横から出てきた鹿がぶつかってきよって、ボンネットめくれるわ、ドア凹んで開かなくなるわ…。そりゃもう恐ろしい思いをしました…」(マスター談)という体験談まで聞いてしまったノダ。これが車ではなく、バイクだとしたら……と考えただけでも、ゾ~~~~~~~~ッとしてもうたんですな。実際に前日の夜、渡瀬温泉に向かうR168でも2頭ほど道端に平然と鹿がおったし! (  Д ) ゚ ゚ すっかりビビッてしまい、 「帰りは時速30キロの安全運転で帰ろっと…」 と心ひそかに誓っていたのはここだけの話である。 とりあえず僕たちは道の行き止まりまで進み、そこから歩いてすぐの平磯の上で、湯を沸かしてコーヒータイムとシャレこむことにした。

 

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 目の前に広がる水平線。聞こえるのは波が磯を洗う音と、背後の遠くから時折聞こえる鳥の短い鳴き声だけ。そして手には、ちんちんに熱く沸騰させたお湯で入れたコーヒー。

 

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 これを贅沢と言わないでなんと表現すればよいのやら。 その後、2人は残り時間を考慮し、潮岬で小1時間ほど(´∀`)ホゲ~ とし、その後、またまたつじこがらすのご案内で串本町においてトッピー(飛び魚のことをここらではトッピーというらしい)を食わせるお店へ。

 

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 トッピーを含む刺身定食を食い尽くすと時間は出発時間ジャスト・オンタイム。そのまま串本町内のR42で左右に別れ、僕たちは帰路についたのだった。

 

 しかし、前回もそうだったが、つじこのおもてなしの精神には脱帽いたしました。 「小腹がすいたな…」と思えば、つじこがお手製の食い物をふるまってくれたり近くのバイク好きのマスターがいるオシャレな洋食屋さんに連れていってくれたり、「冷えてきたな…」と思えば温泉に連れて行ってくれ、「もうちょっと楽しみたいな」と思えば、すぐ近くの港へ釣りに連れていってくれ…。 いやはや。秘密基地に潜伏してからの探究心と好奇心、行動力に感嘆しつつも、つじこのホスピタリティーには、ほとほと感動いたします。 あ、そうそう。今回のツーリング(なのか?)では、鹿や熊や猿だけでなく、こんな犬もいてました。


















































 

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まぁ! かわゆいワンちゃん♪

 

 あ……逃げて行っちゃう♪

 















 

 

 

 

 

 

 

 

 

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キャインキャイ~ン!

 

(完)

 

 

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1) 前編

2) 後編